CHIRORO Expedition
(チロロ探検隊)
■■ ACT.3 不死鳥の尾羽 ■■
チム♪たちは、オウカンファイヤーゲッコウの背中に乗って
あっという間に、高い崖の中腹にある不死鳥の巣穴にたどりついた。
もんもんは、とっても気持ちよかったみたいで・・・めちゃめちゃ興奮していた。
「 不死鳥・・・ いるかな??」
チム♪は、そう言いながら、結構大きな巣穴に入っていった。
そこには、天井から光が差し込んでいる広い空間があり・・・
その真ん中あたりにワラで できた、大きな鳥の巣があった。
その中に、虹色に光る とても大きな鳥がいた。
「 あなたが、不死鳥さんですか??」
チムは、その鳥に聞いた・・・
「 カペ・・・!」
不死鳥は、急に話し掛けられてびっくりしたみたい。
チム♪が、不死鳥に事情を話した。
「 うがうがうがうが〜〜〜っ!!」
ハナテカが、不死鳥の尾羽が無いのに気付いた。
どうやら、この不死鳥・・・ オバネヌケチャウ病という恐ろしい病気で
りっぱだった尾羽が全部抜け落ちて、一枚も無かった。
せっかく、ここまで来たのに・・・ どうしよう。。。
ハナテカ は、すっごくがっかりした。
チム♪は、ハナテカを励まそうと近寄った時・・・
不死鳥の巣穴の奥の方から声が聞こえた。
「 ふ〜〜っ! やっと見つけたあるよ〜〜んっ!」
ひとりの、ヘンテコな格好をした女性が現れた。
祈祷師の モクモク だ。
「 このプクプクイモムシで、オバネヌケチャウ病も あっというまに治るあるよ〜〜ん。」
モクモク は、古代チロロの医術を見につけていて いろんな病気を治す事ができる。
なかでも、このプクプクイモムシは、万病に効くという優れた薬になるらしい。。
不死鳥の オバネヌケチャウ病 は、奇病の為、治療方法がわからず
モクモクが知っている中では、この薬しかなかった。
「 あれっ? あんた達 誰あるねっ??」
モクモク は、チム♪達に気付いて驚いた。
チム♪は、モクモクに、事情を話した・・・・
「 あちゃあ・・・ そりゃ残念だったあるなぁ〜ん 」
「 このプクプクイモムシで、不死鳥の病気がもし治ったとしても
虹色の尾羽が生えるまでは、多分・・・1ヶ月以上はかかるあるなぁ・・・ 」
「 クペッ♪」
急に、不死鳥は、モクモクの手の プクプクイモムシを、クチバシで咥え・・・
ニッコリ笑って チム♪達に、差し出した。
「 えっ?? このイモムシをチム達にくれるの??」
チム♪は、びっくりして聞いた。
「 クペペッ♪♪」
不死鳥は、何回もうなづいた。
「 なるほど。。。 プクプクイモムシは、どんな病気も治してしまうあるからなぁ・・・」
モクモク は、不死鳥の頭をなでながら、不死鳥に優しく言った。
「 よしよし・・・ また、プクプクイモムシを見つけてくるあるよん・・・ 」
不死鳥は、ニッコリ笑った。
モクモクは、チム♪達に向かって・・・
「 じゃあ、アタシがこのプクプクイモムシで、とびっきりの薬を作って飲ませるあるから、
さっそく、その・・・ ちっちゃなデカバナの お父さんの所へ行くあるよんっ!!」
ハナテカ は、名前を間違えられたのに気付いたけど、
モクモクと不死鳥の優しさに感謝していたので、聞こえないふりをした。
祈祷師 モクモク が、仲間に加わった。
「 コペッ♪」
どうやら、不死鳥が、チム♪たちを 背中に乗せて
ハナテカ の家まで飛んで行ってくれるらしい・・・・
チム♪は、優しい不死鳥のほっぺにチュウをして クチバシを触りながら言った。
「 ありがとっ♪」
チムたちは、不死鳥に捕まって・・・大空へ舞い上がった。
チム♪は、振り返って驚いた。
不死鳥が飛んだ後には・・・ 綺麗な七色の線ができていたから。
「 うわぁっ♪ 綺麗・・・ 」
不死鳥は、あっという間に、ハナテカ が住んでいた大岩の洞窟に着いた。
「 うがうがうが〜〜〜〜っ!!」
ハナテカ が叫ぶと、中から、ハナテカ の妹が出てきた。
「 ささっ!! 病気のお父つぁんは どこあるか??」
モクモクは、プクプクイモムシを持って、洞窟の中に入って行った。
しばらくすると・・・
洞窟の奥から、大きな うめき声が聞こえた。
「 うぎゃぎゃぎゃああああっ!!」
それは、ハナテカ のお父さんの叫び声だった。
もんもんは、洞窟の外から 心配そうに のぞき込んでいた。
「 もんもん♪ 心配ないよ。 モクモクなら、きっと治してくれるから・・・」
チム♪は、不死鳥のクチバシにぶらさがりながら 様子を見ていた。
洞窟の奥から・・・ ハナテカ が 泣きながら現れた。
「 うがうがうが・・・」
チム♪は、ハナテカの肩をポンっと軽くたたきながら つぶやいた。
「 よかったねっ♪」
ハナテカ は、嬉しくて、泣きながら笑った。
「 今日、一日は安静にしてるあるよんっ! 明日の朝には、元気ハツラツあるねぇぇ〜〜♪」
モクモク と、ハナテカ の妹が、洞窟の奥から姿を見せた。
妹は、家宝の壺を手に持っていた・・・
「 うがうがうがうがっ♪」
ハナテカ は、その壺を約束通り、チムに渡した。
チムは、聞いた。
「 ねぇ・・・ ほんとに もらってもいいの??」
「 うがっ♪♪」
ハナテカ が言うには・・・この[ フウインシ・チャッタゾウの壺 ]には、
不思議な呪いがかけられているらしい・・・
言い伝えによると・・・
この壺の中には、なんと! 恐ろしいまものが封印されているというそうだ。
「 あちゃあっ!! えらいものをもらってしまったあるねぇぇぇっ!!」
モクモクは、チムに言った。
だけど、チム♪は、喜んで、その壺をもらった。
チム♪たちは、[ フウインシ・チャッタゾウの壺 ]を手に入れたっ!!
チム♪は、ハナテカ兄妹に見送られながら・・・ 大岩の洞窟を後にした。
チムたちは、再び不死鳥の背中に乗って、チロロの割れ目にあるチロロニア宮殿へ向かっていた。
不死鳥の背中の上で、モクモクが チムのリュックの中にいた ウパウパを見つけた。
「 あいやぁ〜 ウパウパあるね〜〜♪」
「 ウパウパの背中から出る泡は、いい薬になるあるよ〜ん。」
そう言って、ウパウパを取り出して・・・ 背中から、泡を出し始めた。
それを見た トカゲが大嫌いな もんもんは、びっくりして後ろへ大きく飛んだ瞬間・・・
不死鳥から落ちてしまった。
チムは、すかさず 自慢のムチで もんもんの足をつかまえたけど、不死鳥の背中にこぼれた
ウパウパの泡で滑ってしまい、チムともんもんはチロロの割れ目に落ちてしまった。
「 あいや〜〜〜〜っ!!大変ある〜〜っ!!」
「 やばいあるっ!! あそこは、≪ペギランのほこら ≫ ある〜〜っ!!」
モクモクは、二人が落ちた場所を見て そう叫んだ。
一方、ペギランのほこら に落ちた チムともんもんは・・・
ペンギンのような姿で ぷよぷよした体の大きな生き物 ペギランたちに、囲まれていた。
ペギランたちは、いきなり二人に眠りを妨げられたので、みんな興奮していた。
一匹のペギランの体が光り・・・ 大きな口から、チムともんもん に光線をあびせた。
ピカッッ!!
「 あいや〜っ!! 遅かったあるかぁぁ!!」
急いで、チムたちのあとを追って やってきたモクモクは言った。
ペギランは、魔法を使える生き物で、口から しびれ光線を出すらしい。
その光線をあびると、2〜3日は動けなくなってしまうという。
ペギランの しびれ光線をあびた チムともんもんは倒れていた。
でも、チムだけ・・・ 様子がおかしい・・・
体が ぽわんっと光りだし、その光りは天に向かって飛んでいった。
チムは、しびれ光線をあびた後、体内から その光りを弾き飛ばしてしまったようだ。
チムには、不思議な力でもあるのだろうか・・・??