CHIRORO Expedition
(チロロ探検隊)


■■ ACT.2 古代チロロニア宮殿 ■■


不死鳥の尾羽を手に入れる旅となったチム♪たち・・・

小人のハナテカが言うには・・・

不死鳥の居場所は、洞窟の奥に住む アチャコウモリが知っているらしい。


チム♪たちは、アチャコウモリを探す為 洞窟の奥の方に向かった。

聞くところによると アチャコウモリは金属が大好きで、
特に黄金色に輝くものを見つけると巣に持ち帰る習慣があるという。


チム♪は、懐中電灯をつけて、あたりを見回した。

すると・・・ 奥の方に、キラキラと懐中電灯の光を反射する場所があった。

近付いてみると、ほらっ!

金属が集められている場所の岩場に アチャコウモリがいた。



「 うがうがうが??」


ハナテカは、不死鳥の居場所を聞いた。 ・・・しかし、

アチャコウモリの アチャチャ は、とぼけた顔をして、教えてくれそうにない。


チム♪は、ポケットから金貨を一枚出して アチャチャに見せた。

それを見た アチャチャは、急に不死鳥の居場所を話し出した。




「 うがうがうが。。 うがっ♪」

どうやら ハナテカは不死鳥の居場所がわかったらしい。

アチャチャは、チム♪の手から金貨を奪い 自分の巣に持ち帰った。



「 よかったね♪ハナテカ・・・ じゃあ、さっそく不死鳥の所へ出発だぁ♪」


って、チム♪の号令で、探検隊は一旦、洞窟の外へ出た。



「 キンカ・・・」

もんもんが、ポツリとつぶやいたので チム♪が振り返ってもんもんを見ると、

もんもんの手には、さっきアチャチャにあげた金貨があった。


「 あらっ。 持ってきちゃったの?」

「 よく、アチャチャが怒らなかったね・・・」



どうやら、アチャコウモリの習慣は、金属を巣に持ち帰る事だけで、

その後は、別になくなっても気にしないようだ・・・

 

ハナテカが、アチャチャから聞き出した不死鳥がいる場所っていうのは・・・


遠い昔の大地震によって、地面にとてつもなく深い亀裂が入った場所に隠された秘境

そう、「チロロの割れ目」とも呼ばれている場所で・・・

そこには、無数の岩と土でできた宮殿らしきものがあり、古代チロロ人が住んでいた場所でもあった。

崩壊しかけている りっぱそうな宮殿は とても大きな石の柱が立ち並び、
崖の横穴を巧みに利用した迷宮になっていた。

その宮殿こそ、まさしく 悪戯の女神 チロロ・ロレンが住んでいたとされる謎の迷宮

古代 「チロロニア宮殿」 だった。




その入り口にある大きな石柱の門の下には、2匹の大きな獅子のような生き物がいた。

 

 

「 おおっ!! 人間に会うのは何百年ぶりだろう?」

オスの獅子 ライオスが懐かしそうに言った。


「 かっこいいっ♪ 門番してるんですかぁ??」

チム♪は、ライオスを見上げながら聞いた。


「 はて? そうだったのか?・・・ そういえば、門番をしていたんだったかも・・・ 」

「 ここを通ると食べられちゃうのかなぁ??」

チム♪は、質問した。


「 ほんとなら、ここを通してはダメって言われてたような気がするけど・・・
お前、オレの事を かっこいいって言ったから特別に通してやろう。」

「 通るなら、ライメスが寝ている今のうちだぞ・・・ あいつは、まじめだからなっ!」


ライオスは、小さな声で チム♪たちに言った。


チム♪は、もう一匹の門番の獅子を見た・・・


 



「 あっ! 今、寝てるっ!!」


「 ささっ、今のうちに中に入れ・・・」

チム♪とライオスは小さな声で、しゃべった。



「 なんか、人間の臭いがす・・る・・・ ムニャムニャ・・・」


ライメスは、鼻をくんくんさせたけど、目を覚まさなかった。



「 ありがとっ♪」

チム♪は、ライオスに礼を言って、宮殿の中に入っていった。





切り立った崖に囲まれた チロロの割れ目には 石で出来た階段と
大きな石柱がところどころにあり、奥に行くほど、道幅が狭くなっていた。


途中、崖の横穴が幾つも空いていて、穴の奥にも道があるようだったけど・・・

とりあえず、チムたちは迷子にならないように横穴には入らず、一本の大きな道を歩いた。

チロロの割れ目は、ジグザグに溝ができていてくねくね曲がった道が多く、
すごい高さの階段もあって 奥に行くだけでも大変だ。



「 いわあああああっっっっ!!!」


急に、近くで大きな叫び声がしたので、チム♪とハナテカ は、飛び上がって驚いた。


振り返ると、もんもんが倒れていた。



チムは、あわてて、もんもんに駆け寄った。

どうやら、びっくりして ちょっとだけ気を失ったみたいで、もんもんは、すぐに目を覚ました。


「 どうしたの? もんもん・・・」

チム♪が、もんもんを抱き上げて聞いてみると・・・


「 どうしたもこうしたもあるきゃあっ!!
そのエテ公が わしの顔に、いきなり小便ひっかけやがったんだがやっ!!」


チム♪は、急に聞こえた声に ドキッとして、ふり向くと・・・・


 

岩が、怒っていた。




「 いわっっはっは〜〜〜っ 」


すると、今度は反対側で、大きな笑い声が聞こえた。


「 おみゃあさんが、ぽけぇえっとしとるで 小便ひっかけられるんだわぁあ・・・」

 



「 なに言っとるだぁ! おみゃあはっ!!」


チム♪は、怒っている岩に近寄り抱きしめて謝った。


「 ごめんなさいっ! もんもんも・・・ 悪気があってやった訳じゃないの。」




「 おみゃあ・・・ 嬢ちゃんだったのきゃあ・・・」


チム♪が、素直に謝ったので・・・ 怒っていた岩も許してくれた。



そして、チム♪たちは、この二人に 不死鳥の事を聞いた。


どうやら、不死鳥は この道をずっとずっと進んだつきあたりの分かれ道を
左側に登ったところに巣を作っているらしい・・・





「 きいつけて、いきゃあよぉぉっ!」


多分、女性だと思う岩が、笑顔で見送ってくれた。



「 ありがとぉ〜〜♪」

チムは、そう叫びながら、そこを後にした・・・

切り立った崖の溝に沿って作ってある石の階段をのぼっていくと・・・

壁に なにやら古代文字が書かれている石を見つけた。

ハナテカ は、その文字を読んでさけんだ。


「 うがうがうがうが・・・・・・! 」


チムが、聞いてみると・・・ どうやら、近道って書いてあるらしい。

チム♪たちは、古代文字が書いてある石が、どやらスイッチみたいになっているのに気付き
みんなで、奥に押し込んでみた。



すると・・・

切り立った崖の上の方にある大きな穴から
赤い色をした、めちゃめちゃ大きいヤモリが姿を現した。

 

 

体長20mぐらいある 王冠をかぶったヤモリは

「割れ目のヌシ」 とも呼ばれている オウカンファイヤーゲッコウだった。

まさしく、ヤモリの王様と言ってもいいほど りっぱな体格をしていた。



オウカンファイヤーゲッコウは・・・
チム♪たちを長い舌で捕まえて 次々に背中に乗せた。



チム♪たちは、落とされないように必死で背びれにつかまった。


オウカンファイヤーゲッコウは、ニヤリ と笑うと、垂直に切り立った崖を
チム♪たちを乗せて、一気に登りはじめた。

 

 

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