CHIRORO Expedition
(チロロ探検隊)
■■ ACT.1 チロロ遺跡探検に出発だぁ!!■■
とても好奇心旺盛な女の子 チム♪は、
古代遺跡チロロの謎を知りたくて知りたくてたまらない・・・
「 チロロにいけば、何かがわかる!!」
そんな想いを胸に一人、古代遺跡のチロロの割れ目にやってきた。
【チロロの割れ目】とは、遠い昔・・・
火山が大噴火した時に、とても大きな地震が起きて
その時にできた 数10kmにわたる地割れの事である。。
その地割れの溝を利用して、古代チロロ人(びと)は文明を築いた。
それが、今はなき チロロ文明である。
その割れ目の始まりとも呼ばれる場所に ひとりの女神が現れた。
その女神こそ、悪戯の女神 チロロ・ロレン♪であった。
チロロ・ロレン♪は、絶世の美女だったと言われているが、いつも おかしなお面をかぶっており
その容姿を見たものは、あまりいなかった。
チロロ・ロレン♪は、そこにとても立派な チロロニア宮殿を建てて、
チロロ地方に住んでいたあらゆる動物達を、おもしろおかしく変身させては
愉快に、楽しく過ごしていたと言うのであった。
これが、不思議な世界 「 しずわーる!」 に住むへんてこ生きものたちの起源だと言われていて、
今の不思議な動物たちの祖先になったに違いないと推測された。
そんなチロロの秘密を解く鍵を見つけるため、チム♪は
古代チロロ遺跡を探検しようとここまでやって来たのだった。
チム♪は、チロロ遺跡の近くにある密林を歩いている途中、
目の前に、いきなり猿人の子供が現れた。
「 うきうきうき〜〜〜!!」
この猿人の種族は、古代よりチロロの秘宝を守っているらしいけど、
チム♪がポケットに入っていたビスケットをあげると・・・簡単に、なついてしまった。
チム♪は、この猿人の子供を、「もんもん♪」っていう名前で呼んだ。
もんもん もまた、好奇心旺盛で、大の冒険好きっ!!
チロロの秘宝を守っているのにも飽きてきた頃だったのか、
チム♪と一緒に、チロロ遺跡を探検する事になった。
「 チム・・・・ 」
って、もんもん がチム♪の名前を覚えて、もごもごしながら口に出した。
これから、ちょっとづつ言葉を覚えていくようになると思うけど・・・
まだまだ知能は、おサルさんに毛が生えたぐらいで、行動のほとんどが勘によるものだった。
しかし、さすがにチロロの秘宝を守っている種族とあって、
背中に背負ったブーメランを投げさせたら天下一!! 腕前は相当のものであった。
チム♪に心強いボディガード及び、チロロ遺跡の道案内役の仲間が加わった。
チム♪と もんもんは、深い密林を歩きつづけて・・・
やっと、チロロ遺跡の入り口がある断崖絶壁の大岩の隙間が見えてきた。
「 あそこが、入り口だよっ!」
って、チムが、嬉しそうに叫んだ、ちょうどその時・・・
ガサガサガサッ!!
って、すぐそばの茂みから、なにやら 怪しい奴が ガバッって飛び出てきた。
「 ふごぉぉぉ〜〜!!」
って、そいつは、すごい大きな声で おたけびをあげた。
そして、もんもんにいきなり襲い掛かった。
でも、もんもんは、余裕でひらりとかわして木の枝に飛び移った。
そのドクロのお面をつけた怪物(おたけび)は 今度は・・・
チムに襲いかかろうと両手に握り締めた サボテンでできたこんぼうを振り上げた。
「 ふごぉぉぉ〜〜!!」
「 きゃあぁあっ!!」
チム♪はびっくりして、後ろにひっくり返りながら頭をおさえた! と同時に・・・
ゾリッ!!
って、音と共に・・・ もんもんの ブーメランが宙を舞った。
チムが恐る恐る目をあけてみると・・・
おたけびの頭の毛が ブーメランで、見事に剃られてハゲになっていた。
「 ふごぉぉぉ〜〜 」
おたけびは、頭を抑えて また森の中へと帰っていった。
「 もんもん 強いじゃんっ♪」
もんもんは、おたけびの事を知っていたのだろうか?? 全然 怖がっていなかった。
「 頼もしいねっ♪」
チムは、ご褒美に・・・ もんもんに、大好きなビスケットをあげた。
気をとりなおして、チム♪ともんもんは、断崖絶壁の岩壁の一本の細い道を渡って
チロロ遺跡の入り口がある大岩の隙間に入ったら いきなり、もんもんが、とび跳ねた。
チム♪は、それにビックリして中をのぞいてみると・・・
そこに、8本足のトカゲみたいな生き物が いっぱいいた。
もんもんは、チム♪の後ろに隠れながら、威嚇した・・・
うきぃぃぃぃぃぃっ!!
「 もんもんったら、トカゲには弱いのかしら??」
この ウパウパ という 8本足のトカゲ・・・
背中から、とてもキメの細かい泡を出すらしくて、その泡がまるで石鹸のように
汚れを取ってくれる為、チロロ人(びと)たちは、体を洗うのに このウパウパを使っていた。
なるほど・・・
言われてみれば、とてもいい匂いがする。
チム♪は、このウパウパを一匹捕まえて 持って行く事にした。
「 今度、川で体を洗う時に使っちゃおっと♪」
少し離れて、もんもんは、それを嫌そうに見ていた・・・
大岩の隙間から、洞窟の中に入ると 結構、広い空間が広がっていた。
チム♪ともんもんは、あたりを見回した。
天井の壁に穴が空いていて、そこから陽が差し込んでいるから
薄暗いけど、なんとか洞窟の中を見る事ができる。
ゴソゴソ・・・・
奥の方で、なにやら音がした!! チム♪は、驚いて、その音がする方を見た。
そこには、小さな人影がっ!! よく見ると、小人の女の子だ。
その女の子は、チム♪達に気付いてないのか・・・ 一人で、楽しそうに遊んでいた。
( とても勇気のいる遊びである!!)
もんもんが、その女の子の足元のものを指差しながら、
「 うこ・・・ んこ・・・ 」
って、しゃべったのが聞こえたのか、その女の子は、チム♪達に気付いて・・・
ぴゅ〜〜って、勢いで洞窟の奥の方に走って逃げていってしまった。
「 あの子は、この洞窟に住んでいるのかな?」
チム♪は、仲良くなりたかったのに、どこかへ行っちゃったので ちょっと残念な気分だった。
「 また会えるかな??」
そう思いながら、チム♪たちは また歩き出して、一分もたたないうちに
その小人の女の子は、ぴゅーーーっって勢いで もう一人の小人を連れてやってきた。
どうやら、連れてきたのは 女の子のお兄ちゃんみたいだ・・・ そして、そのお兄ちゃんは チム♪たちに、
「 うがうがうがうが・・・・・・ 」
って、何かを伝えようとしている様子だ。
「 うがうがうが・・うがうが??」
意外な事に・・・ チム♪は、さすが探検慣れしているのか
この小人の言葉が解かったみたいで、その小人に聞き返している。
「 うがうがうがうが・・・・」
「 うがうがっ!!」
「 うがうがうが、うがうが!」
「 うが!」
どうやら、この小人の兄弟のお父さんの 病気を治すために、不死鳥の尾羽を
一緒に取りに行って欲しいって言っている。
もし、手伝ってくれて、無事に尾羽を手に入れたら 先祖代々の家宝でもある壺を くれると言っている。
これは、やるしかないでしょっ!!
チム♪は、気分よく引き受ける事にした。
小人の ハナテカ が仲間に加わり、とりあえず不死鳥の尾羽を手に入れる旅となった。