「DECHIの森」の奥深く・・・・ まるで木々に隠されるように
そこはあった! あたり一面が黒くなった怪しい空間・・・
地面がひびわれ、深い大きな穴があいているその場所に、
何が隠されているのだろう?! そして、そこで見たものは
【 第4章・・コゲた?洞窟 】
さっきのすごい霧のせいだろうか?
森全体が水分を含んで色がより一層濃くなったみたいだ。
目をこらしてみると森の奥の方に、あたり一面が黒くなった
洞窟のような大きな穴があいている場所がある。
ひときわ色鮮やかなこの森にその場所だけは
あきらかに不似合いで怪しい空間である・・・
「 何があったのだろうか?・・・」
遠い昔に何かの衝撃で地面がひび割れてできた洞窟だろうか?
焼け焦げた跡みたいな地面には、草木一本生えていない・・・
おそるおそる近寄ってみたら・・・
いきなり変てこな奴と目があった!
「 何だろう?水滴でもなさそうだし、やけに黒い・・・」
よく見てみると、羽のようなものがついている。
天井からぶらさがって上下に伸び縮みしているようだ・・・
喜んでいるのか?・・・それとも中にはいるなと警告しているのか?
気づくと天井のあちこちで同じ奴らが伸び縮みしている
不気味な感じもしたが、遠眼鏡に付いているライトのスイッチを入れて
穴の中に入っていった・・・
「 うおっ!! 」
あやうく踏み潰すところだった・・・
このダンゴ虫みたいな奴も
急にライトを照らされてびっくりしたのだろうか?
ムクっと起き上がっては、また丸くなるの繰り返し・・・
悪魔のしっぽのような触覚があるが、どうやらおとなしそうな感じだ
観察していると、目をパチクリさせて、なかなかかわいい奴である
あたりの雰囲気が異様なので、ここに住む生き物たちも不気味な
感じもあったが、どうやら思い過ごしのようだ・・・
ふと奥の方に目をやったら、なにやら光っているものが動いている
「 火の玉か?」
一瞬驚いたが、じっと見ていると、それは少しづつ近づいてきた・・・・
「 なんだこれ・・・?」
猫のような耳があるけど、どうみても風船に見える!
体の中にガスでもためているんだろうか
羽もないのに浮いている
そして、ふくらんではほのかな灯りをともしている
突然変異だろうか?
この妙に不思議な生き物はそばから離れようとしない・・・
それどころか、道案内でもしてくれてるのか
こちらを気にしながら少しづつ奥へと進んでいく・・・
あとをついていくと、なにやら聞こえてきた
( ペタペータペタペータ・・・)
音がする方を見ると・・・!
これまたへんてこな奴が足踏みをしている
どうして、この洞窟には
こんな変わった生き物たちが生息しているんだろう?
まるで、地球上の生き物じゃないみたいだ・・・
ある事を思い出していた・・・
はるか昔に、はっきりした場所は書かれてなかったが
SHIZUHARA WORLD に、隕石が落ちたらしい内容の文献の事だ
あまりよく覚えてないが、たしか・・・えーと・・・
「 いにしえのコゲあと ・・・」
そう!たしか「 いにしえのコゲあと 」とかいう名で記載されていた!
そう考えるとこのあたりは、あきらかにコゲた感じである
まさか、ここがそうなのだろうか?
その文献には、こんな生き物たちの事は書かれてなかったが
もしかしたらその隕石と、なにか関係があるのだろうか?
隕石と一緒に宇宙から来た生物の子孫なのかも・・・
「 !! 」
次の瞬間、確信した
ここが、まぎれもなく 「
いにしえのコゲあと 」 であることを・・・
これにはさすがに驚いた!
しばらく声も出なかった・・・目も離せなかった・・・
ふと、われにかえると、心の中で「 モ・ミ・ト 」と何度もつぶやいていた・・・
よく見ると、体に模様のようなものを浮かび上がらせている
それを、モミトと読んでいたのだろう・・・
これは、なにかのメッセージなのだろうか?
知能をもった生き物だろうか?
ズッコケているようにも見えるが・・・
なにはともあれ、これには心をうばわれた・・・