不思議な生き物が生存する謎の海クトン!
その海の底で巨大な怪しい影が目に入った
どこか不気味なその影は遠い昔に沈没した
無数の船だった!そこで目にしたものは?


Act.4  沈没船!


サンゴ礁の上で、クポクポとかくれんぼをしていた私は
100m程離れた所に、なにやら怪しげな影を見つけた。


そのあたりだけ少し暗くなっていて不気味な感じがする・・
あきらかに自然の海の底にはありえない巨大な影だ!


少し怖い気もするが近寄ってみる事にした!
どうやらクポクポはへっちゃらみたいだ・・・
いつものように元気に泳いでいこうとしている


「 ギョッ!! 」 

いきなり、目の前に泡が吹き出し、変てこな魚があらわれた!




No.16 Kobuhaze


私は額の汗を拭うしぐさをして、ほっとため息をついた・・

気付くとそいつは、しきりに何かをしゃべっているみたいだ
クポクポもそいつに近寄り口をパクパクさせている・・
まるで会話でもしているようだ・・

「 何を話しているんだろう? 」

最初は笑っていた2匹だけど、だんだん深刻そうな顔つきになってきた

すると突然、クポクポは私の服をひっぱり岩かげに隠れようとした・・
必死にひっぱるクポクポを見て私は
何が起こったのかわからなかったが身を隠すことにした。

・・ギリギリ・・ギリギリ・・」

しばらくすると、遠くから不気味な音が聞こえてきた・・




No.17 Girigiri


2mぐらいあるノコギリのような魚だ・・
あんなのに体当たりされたらひとたまりもない・・

そいつは、体のまわりにチカチカ光る雷みたいな光を出しながら
通りすぎていった・・・

ふとクポクポを見ると額の汗を拭ってホッと息をついている
さっき私がやったしぐさをまねているんだろうか?


巨大な影に近づくにつれて、それが船である事がわかった!

どうやら沈没船のようだ・・・

それにしても大きな船だ。よく見るとたくさんの船が沈んでいる・・


「 クポポ・・・ 」

クポクポが何かを見つけて泳ぎだした!
そこには、火の玉が近づいてきていた・・・

「 おいおい・・・おいおい・・・って? 」




No.18 Hinotamazu


その火の玉みたいなものはヒゲがあり、どうやらナマズの様だ

クポクポがちょっかいをだしているが
まったく気にせず、船の中に入っていった・・

するとクポクポも何かに操られるように船の奥に泳いでいった・・・


私は、怖くなってきたのでクポクポをつれて一旦引き返そうと思い
クポクポを探しに船の中に入った・・・


「 クポクポー!・・・クポクポー! 」

私は怖さをまぎらす為、大声で何度も叫んだ・・
しかし、クポクポは出てこない・・・

それどころか・・その声につられて、また光るものがあらわれた!




No.19 Hurione


それは体がかすかに透けていて・・まるで妖精のような生き物だ

心臓のような赤いものがついたり消えたりしている・・


小さな光につつまれたその妖精は私の目の前まできて
ゆらゆら体を伸び縮みさせている

思わず手を伸ばしてみると・・・そいつは妙にあたたかく、
不思議な事に心が落ち着いた。 怖さもなくなり
なんとなく勇気をもらったような感覚を覚えた・・

 

「 クポー!・・クポポー!! 」

急に奥の方からクポクポが呼んでいるのが聞こえた!
急いで声のする方に行ってみると
クポクポの横の小さなおりの中に黒い置物が入っていた・・

クポクポがあまりにも騒ぐから、私はおりのカギをあけてやった

すると置物と思っていたその黒い物体が静かに出てきた・・

そして、ゆっくりと回りだした・・しばらく見ていたら
頭の上の丸いところが光りだした・・・





No.20 Mitomo


「 これは、一体何だろう・・・? 」

胸ビレがあるから生き物のような気もするが・・

神秘的なその生き物はまるで誰かと通信でもしているみたいだ


おりの中に入れられていたと言うことは・・?

この船に乗っていた人のペットだろうか・・それとも
地上で捕まえられて、おりに入れられ、船に乗せられたのか・・

どっちにしてもこいつは船室のおりの中にいたという事は
地上で生きていたとしか考えられない・・

不思議である・・・

しかし、そうとう弱っているみたいでよろけているみたいだ・・


しばらく見ていたら、体に文字のようなものが浮かび上がっている

「 ミ 」・「 ト 」・「 モ 」・・

なんとなくそれは、ミトモと読むことができる・・


この不思議な黒い生き物は、しだいに頭の光が弱くなり・・
横で見ていたクポクポによりかかる様にたおれこんでしまった・・

 



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